亡国の世迷言 マラゴニア王国

マラゴニア王国は架空の国。マラカスの妖精マラゴンが治めている。

問題は複合的な物だ。

どんなに心の学びを深めようとも、人は慣れない状況では少なからず取り乱すものである。

 

ただ理を理解して行けば、それが来ては去って行くものだと言う事を思い出し、比較的早く冷静になれる。

 

この世は何かと騒がしい、トラブルの種は手を変え品を変え休む間もなく私達に襲い掛かる。

 

もしいつまで経っても心が落ち着けないなら、きっと色々な要因が一丸となってやって来ているのだろう。

 

例えば風邪を引いたとしよう。

 

最初喉の違和感から始まり、身体が怠くなり熱が出て、頭が重くなり鼻水が出て咳も出る。

 

風邪を引くと暫く上記の一連の症状で苦しく怠い日々を過ごす事になるが、それらの症状がいっぺんに来る事はまずない。

 

徐々に加えられたり、減ったりしながら風邪は治癒して行く。

 

トータルで風邪と言う症状を形成してはいるが、喉だけがイガイガする時期、熱が出て鼻水や咳が重複する時期、鼻水や咳だけが残る時期。

勿論風邪が必ずこの手順と言う訳ではないが、風邪と言う苦しみも一つ一つ分析すると苦しみの種類が変化している事に気付く。

 

心の苦しみもそれを構成する要素は多義に渡り、しかしその一つ一つは長くは続いてない場合が多い。

 

トラウマになる程の心の傷は、複数の要因が複合的に形成されていている事が多いので、断続的に繰り返し長引いてしまう事がある。

 

また新たな刺激が、それを強化してしまう場合もある。

 

しかしトラウマを形成する要素の一つ一つは、いつも入れ替わっている。

 

重度のトラウマは、新たなる刺激を産まない環境で過ごす事が望ましい。

 

その上でトラウマの構成を分析し、その一つ一つが実体を伴わない物である事を理解して行くのである。

 

ゆっくり一つ一つ、癒して行こう。