亡国の世迷言 マラゴニア王国

マラゴニア王国は架空の国。マラカスの妖精マラゴンが治めている。

必要最低限

経済の話に耳を傾けると、今世界には金が溢れていると言う。

その割には、自分の所にお金が廻って来ないなぁなどと嘆いている人も多かろう。

しかし世界的に低金利政策が行われている現状を鑑みると、強ち気のせいって訳ではなさそうだ。

もう少し掘り下げて観ると、溢れているはずのお金が市中に出回っていない現実にブチ当たる。

何て事はない、多くの人が掴んだお金を手放さないのだ。

確かにある程度は、予備の資金を手元に置いておこうと言う気持ちは解る。

しかし闇雲に貯蓄額を増やし、じっと使わずに持ち続ける事は余り賢い選択ではないと思う。

「銀行にお金を預けても、小遣いを出しませんよ」って言うのが、前述の低金利政策の話しに結びつく。

それでも多くの人が掴んだお金を手放さないのは、不安だからだ。

漠然と何の身の保障もない、この生活が不安なのだ。

お金を沢山持っていると言う事だけが、唯一その不安を解消してくれるものと信じて疑わない。

しかしそうした一人一人の不安の為に無駄に貯められたマネーが、体に付いた脂肪の如く醜く世の中を蝕んでいく。

本来豊かさを享受出来るであろう人々が貧しい生活を強いられ、今豊かな人々も必要以上にセキュリティを強化しなければならない現状下に置かれる。

何とも本末転倒な話しではないか。

ある程度歳を取り先が見えそうな歳になってもまだ将来を悲観し、お釣りが束になって返って来そうな程大量の貯蓄を、使い切らないままこの世を去って行く人もいる。

いやいやそんな人が沢山いるから、金余り現象が起こる。

何も貧しい生活をしろとは言わない。

ある程度ゆったり暮らせる資金数ヶ月分だけ貯金し、後は投資するなり人生を謳歌する事にお金を使ってはどうだろう。

今よりほんの少しでも良い、この不均衡を無くす為に貯蓄の見直しを私は勧めたい。